漆蒔上絵物語  絵付け説明の巻

漆蒔上絵物語を始める前に、簡単にざっくりとですが、絵付けの説明をします。
私の乏しい知識と経験からの説明ですが、おつき合いください。
まず絵付けには、上絵付けと下絵付けがあります。

上絵付けからいきます。
絵の具は普通粉状になっています。和絵具と洋絵具(後日説明します)があります。
素焼き(窯1回目)→釉薬をかける→本焼成(窯2回目)が済み、
すでにうつわとして使用できる状態のものに、何らかの方法で粉状の絵の具をくっつけて、
もう一度窯で焼き付ける(窯3回目)ことを上絵付けといいます。
窯の温度は700度〜800度位、素焼き程度の低温です。合計3回焼いて完成です。
私の場合は、さらに4回目を焼くこともあります。

下絵付けとは。
美し藍色の発色模様のお茶わん等の染め付けは、下絵付けと呼ばれています。
素焼(窯1回目)したものに、呉須(コバルト色の顔料)を水で溶いたもので模様を描き、
下に描いた模様が透けて見えるように、透明な釉薬をかけて本焼成(窯2回目)します。
2回焼いて完成です。

その他の装飾技法
・下絵と上絵のミックスの技法もあります。
・転写紙といって、シート状になったものを好みの形に切り抜き、
 水をつけて貼り付ける技法もあります。
・金彩、銀彩。プラチナ等焼き付けることもできます。

上絵付けで、絵の具をうつわにくっつける方法のいろいろを紹介します。
*「ふのり」と水でよくすり練って、盛りつけようにしてくっつける『九谷の技法。』
* 水と「アラビアゴム」でくっつける『水溶き技法。』
*「コバイバルサム」という油でよく練ってくっつける『油溶き技法。』
*「漆」の粘着力を利用してくっつける『漆蒔技法。』

そうです。「」の中のものは、何かしら粘着性のあるものなんです。
やろうと思えば「木工用のボンド」でもつけられます。
つるりとした焼き物の表面に粉状の絵具をくっつけるための、先人達の工夫の技法です。
焼くと「ふのり」も「アラビアゴム」も「コバイバルサム」も「漆」も、
み〜〜んな焼けてなくなってしまって、絵の具だけが残ってうつわに焼き付く訳です。

同じ絵具を使っても、それぞれ発色の様子も違い、それぞれのおもしろさがあります。
この中の、「漆を使って絵の具をくっつける技法」が『漆蒔上絵技法』なんです。
ちょっと長くなりましたが、お解りいただけたでしょうか?
今日はこのへんまで・・・続く。

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by studio-tokuda | 2010-05-07 16:47 | 漆蒔上絵物語 | Comments(0)
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