銀彩のお話です。
漆蒔上絵物語の中にも出てきましたが、銀彩とは、銀が薄く表面に張りついている状態です。 銀彩の他には、金やプラチナやパラジウム(銀よりもパカパカのあっけらか〜んと光る感じです) といった種類もあります。 私は漆蒔上絵を模索中に大変お世話になった、日本金液さんの銀液と金液を使っています。 銀液は、エスプレッソを煮詰めたような色のドロドロの臭い液です。 その銀液がどのようにピカピカの美しい銀彩に変化していくのか、銀液の大変身を紹介します。 以前にもご紹介した富士印がキュートな銀液のビンです。 ワイングラスが途中から曲がった様な、 ガラス製の専用の入れ物に入れて使います。 ドロドロの臭い液体です。 銀液を筆で塗ったところです。 濃すぎる時にはソルベントという薬品で薄めます。 700度で焼成して窯から出したところです。 酸化膜がかぶさっているので白く粉をふいたようです。 まだ光ってはいません。 ジルコンペーパーという、 サンドペーパーに似たもので磨きます。 磨くと初めて酸化膜が取れて光ってきます。 右半分が磨いた状態です。 釉薬がかかっている上に塗られた銀液は ピカピカになりますが、 釉薬がかかっていない表面に塗られた銀液は、 マットなにぶ銀になります。 釉薬ありとなしの状態を利用して、 ピカピカとにぶ銀状態をデザインに活かしたティアラです。 銀彩は本物の銀が薄く張りついていますから、 使用しているとだんだん空気に触れ酸化し、黒ずんで変化していきます。 もしピカピカに戻したい時には、重曹を少し湿らせたもので磨き水洗いして下さい。光沢が戻ります。 食器に銀彩がついているものは、電子レンジにかけるとバチバチしますので気をつけて下さね。 釉薬ってどんな状態のものなの?というご質問もいただいていますので、 これから少しずつ焼き物の製作過程もご紹介していきます。 以上、銀液大変〜身!の巻でした。
by studio-tokuda
| 2010-07-09 23:52
| 焼き物
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