カテゴリ:漆蒔上絵物語( 23 )

漆蒔雑感


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糊のお役目漆が燃えてなくなってしまうと、こんなに綺麗になります☆









寒くなってきました。
窯を炊いたすぐ後でも、すぐに仕事部屋冷えてきます。
11月催し作品いろいろ
漆蒔を無事終了し、銀彩に入りました。
まだ髙島屋さん用作品、第三弾の漆蒔仕事が少し残っているのですが
へとへとになってしまったので
ちょっとエネルギーチャージしてから再突入します。






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茶色に見えるところは銀液が塗ってあります。
漆蒔の窯を開ける時は今でも緊張します。
綺麗に発色しているとほんとに嬉しくて、疲れ吹っ飛びます◎

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時々作るチェック模様、とっても好きなのですが。。かな~り大変です。
縦ラインを綺麗にしてから、再度横ラインの漆を塗りますが
下の漆をテレピンの作用で少し溶かしてしまいますし、再び粉絵の具まみれになります。
大変だけど好きなので、これからも少しづつ作ります。








漆蒔はやればやるほど難しいのです。
漆を一旦塗ると、絵の具を付け終わるまで2〜3時間
一気に仕上げないといけません。
一回にできるのはカップだと15個程。
これを一日3〜4クールやります。
かな~りへとへとです。
漆蒔を窯に入れるには、さらに同じくらいの時間をかけて
余分な粉絵の具や汚れを拭き取り、仕上げをします。
湿度の高い梅雨から夏にかけては
漆があっという間に乾いてしまうので
ものすごく効率が悪くなります。



そんな体力ふりしぼる漆蒔ですが
出来上がった作品はできるだけ軽やかに見えたいのです☆
お友達のデザイナーさんが
「徳田さんのは、ささって作った感じするよね!」っと
言ってくださったことがあります。
漆蒔の大変さをよくご存知の上で言ってくださったのですが
こんな風に言っていただくと
とっても嬉しいのです!!



水面下で必死に脚をバタつかせてる
白鳥?であります。
あと少し熱海の温泉目の前にぶら下げて走ります。
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by studio-tokuda | 2016-11-06 23:22 | 漆蒔上絵物語 | Trackback | Comments(0)

有田辻絵の具さん



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来年の展覧会用に、ひさしぶりにピンバッジも作りました。これから銀彩です。
あまりいい写真じゃなくてごめんなさい。
余裕ができたら美術館ショップで販売していただけそうです。
この綺麗な色の赤は『セレン赤』と言う名前の絵の具です。
今回訪ねてくださった辻さんとのお話の中で
もうこの絵の具は作ることができないと判明!!!大事に使います(泣)☆








九州有田の辻絵の具さんが、工房を訪ねてくださいました。
かつて多治見に、漆蒔の職人さんが大勢活躍されていた頃
少し乾きの遅い遅乾漆を卸していらしたそうです。
漆蒔のことをお知りになりたいとのことで
このつたないブログをご覧になり、訪ねてくださいました。



多治見にはもう絵の具屋さんはありません。
やきものの学校を卒業した頃に
たくさん買っておいた絵の具を今は使っています。
辻さんのお話の中で
絵の具も顔料の調達がむつかしくなってきており
もう作れない色の絵の具も出てきているそうです。



ここのところ粘土も釉薬の原料も
いろんなものが手に入らなくなってきています。
辻さんとお話しすればするほど
筆も漆もいろんなものが、大勢の作り手の方に
支えられているんだなあと実感。
そしてみなさんなかなか厳しい状況におかれており
なんとか先細りではなく、現状維持をと
努力されていることが、ひしひしと伝わるお話ばかりでした。



九州の焼き物巡りしたいものです。
ひさしぶりに漆蒔上絵物語カテゴリーでした。
展覧会準備は、漆蒔の窯終了までたどりつきました。
本日は窯冷め待ちで、や〜〜っと髪を切りに行けました!!!
超さっぱり元気になりました。
あと少し追い込み、気合いだあ ーーーーー ◎
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by studio-tokuda | 2015-12-05 18:58 | 漆蒔上絵物語 | Trackback | Comments(2)

安藤洋二さんにお話伺ってきました☆


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安藤さんの若い頃の作品です。先日の展覧会で拝見し、気になっていた作品でした。
ほんとに今でも超モダンです!大好きです♪
どんな方法で描かれたのか、今日教えていただきました!

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こちらも手間かかってます。

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これはゴム印でほどこされた漆蒔なんです+金彩です。
ゴム印の可能性たくさんあるなあ〜〜〜。。。

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安藤洋二さんです。

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日根野作造さんの図案集☆お宝です!

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いろいろ教えていただきました。漆蒔教わるの初めてで・・・嬉しかったですぅ・・・( 涙 )










何も解らぬまま ( 解らなかったからですが )
漆蒔上絵を始め、いつの間にか10年以上過ぎていました。
昨年、岐阜県現代陶芸美術館で『オールド大倉の世界展』
開催の折、漆蒔の実演&お話をさせていただきました。
そんなことがきっかけで、本日
多治見上絵歴史の生き証人でいらっしゃる
安藤洋二さんに、お話を伺うことができました。
学芸員さんお二人と共に、美術館の一室で4時間にわたり
貴重なお話を聴かせていただきました。
漆蒔のこと、多治見焼き物の歴史のこといっぱい!
安藤さんご本人、そのままが歴史でした☆



安藤さんは多治見市のお生まれ。
今年81歳になられます。
多治見工業高校を出られ ( 先輩ですね )
多摩美の油絵科を中退。
偉大な陶磁器デザイナー日根野作造さんに師事しつつ
お家のお仕事で長らく、上絵作品を
デザイン&制作されていらっしゃいました。
多治見市の意匠研究所で指導もなさっていました。



私は今まで解らないなりに大勢の方に助けていただき
漆蒔をしてきましたが、出会った何人かの方に
安藤洋二さんにお話を聞くといいよと、アドバイスを受けていました。
今回それがかなうこととなり、自己流の道具一式を持参で
ちょっと緊張してお会いしてきたのであります。



たくさんたくさん教えていただきました!
眼からウロコがポロポロでした!!!
基本の基本、筆や漆の濃度のこと。
ここのところ少し悩み、疑問に思っていたこと
みごとにツボにはまった答えを発見でき
これでもう一度原点に戻り、再スタートできます嬉しいです♪



お話を伺う中で、安藤さんはお家の陶園でのお仕事だったため
個人の仕事とは、規模の違うご苦労がおありになったそうです。
でもそんなご苦労があってこそ「なんとかせんとあかん!」精神で
試行錯誤し工夫し、制作してこられたと、お話ししてくださいました。
状況は違いますが、このことは私自身にも重なり、励まされました。



私はほんとにたまたま偶然、漆蒔上絵とかかわることになりました。
今日の美術館でのお話は、映像の記録も撮ってくださいました。
かつて上絵の町であった多治見の、ささやかな歴史資料になれたなら嬉しいなと
おこがましくも思いました。
そしてやっぱり謎は残ります!
安藤さんはお父様に漆蒔を教わったそうですが
そのお父様はいったいどこで誰に・・・???
学芸員山口敦子さんの研究は、さらに続くのでありました。。。



今回お話を伺っていると
当時は和紙が必要であったので、あのあたりに紙すき場があった等
材料や道具もこの町と共に、生きて動いてきたことがよく判り
大変興味深く感じました。おもしろいです〜☆
今では手に入らない道具も増えてきました。
でもなんとか工夫して、これからも迷いつつ
ぼちぼちやっていこうと思います。



なんだかまだまとまらない文章ですが
今日のお話を忘れないうちにと思い
とりいそぎまとめてみました。
安藤さんに感謝です!
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by studio-tokuda | 2014-03-15 00:10 | 漆蒔上絵物語 | Trackback | Comments(2)

番外編ー大倉陶園漆蒔との出会い



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カタログの中の漆蒔作品写真です。素晴らしいです!!!!!
素晴らしすぎて鼻血出そうで涙ちょちょぎれました!







現代陶芸美術館(多治見)
『オールド大倉の世界展』始まりました。
昨日開会式に行き、さっそく展覧会見てきました。
私は今まで漆蒔き作品を、あまり見たことがありません。
と言うか、現在大倉陶園さんが作っていらっしゃる
漆蒔カップ&ソーサー以外を見るのは
初めての経験でした。感動しました!



お会いしたこともないし時代も違いますが
作品を通して、漆蒔というものに向き合った者として
共有できるものを感じ( おこがましいですが )
こみ上げるものがあり、涙ちょちょぎれました・・・。
わからないなりに漆蒔と向き合う中での可能性を
同じ方法で探っていらしたことも感じることができ
とても貴重な体験をしました。
漆蒔をやっていて、よかった!!!と思えるひと時でした。



大倉陶園社長さんともお話させていただきました。
やはり現在の漆蒔作品制作は、かなり経済効率が悪いとのこと。。。
でもでも、これからもぜひ続けて下さいと、お願いしてきました。



今回のそんな思いや新たな発見のことなど
15日の美術館実演の時に
みなさんにお伝えできたらと思っています。
11:00〜と14:00〜2回やります。
予約やチケットは不要ですので
お時間ありましたら見にきてくださいませ。
そして素晴らしい展覧会もぜひ ♪
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by studio-tokuda | 2013-09-08 22:41 | 漆蒔上絵物語 | Trackback | Comments(2)

漆蒔上絵物語ー番外編


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久しぶりの番外編です。
2013年9月7日〜11月24日
岐阜県現代陶芸美術館(多治見)
『オールド大倉の世界展』が開催されます。



今回展示される作品には
漆蒔上絵の作品がたくさんあるそうです。
「皇室も愛した誇り高き日本の洋食器」と
キャッチコピーにもありますが
大倉陶園さんでは皇室向けの特別注文品などとして
片や多治見では、安い雑器の装飾として
多くの職人さんによって制作されていました。



私の大きな疑問でもありますが
「漆蒔はいったいどこの誰が、どこでどのように始めたのか?」
ご担当の学芸員さんがいろいろ調べて下さっています↓
『そもそもの始まりは中国清朝風のやきものが
日本でもてはやされた折りに、その色彩を再現するために
地色の絵付けに漆蒔が用いられたようです。
それが、どのように各地域に伝播し、根付いていったのかが、
非常に気になるところです。』とおっしゃっています。
謎解きですね☆



今回の展覧会開催にあたり、細々漆蒔をしている私に
ワークショップなどできませんか?と
美術館からお話をいただきました。
漆にかぶれる方もいらっしゃるので
漆蒔の実演をすることになりました。
9月15日(日)11:00〜/14:00〜 ( 2回行います。)



まったくの自己流でお恥ずかしいですが
興味がおありでしたらのぞきにいらして下さい。
また会期近くになりましたら,改めて宣伝いたします。
みなさま『オールド大倉の世界展』お楽しみに♪
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by studio-tokuda | 2013-08-17 22:45 | 漆蒔上絵物語 | Trackback | Comments(0)

漆蒔上絵物語ー番外編

漆蒔上絵技法についてお話する機会が多いのですが、
この技法は正確にお伝えすることが、なかなか難しいのです。
焼き物仲間にも解ってもらえない場合が多いです。

先日高島屋マピエスでのミニ展示の折に、
どなたにでも解っていただけるように、
過程を写真で追った簡単なアルバムを作りました。

少しは解りやすいかと思います。
ご参考になればうれしいです。

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ロクロでかたちを作り乾燥し、
750 °で素焼焼成しました。



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釉薬をかけたところです。錫釉です。
釉薬の滴跡などをきれいにお掃除します。



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1250°で本焼成しました。
白く焼き上がりました。
この状態でうつわとして使うことができます。
上絵の仕事はここから始まります。
全体に膠(お湯に溶かしたもの)を薄くぬります。
私自身は、余分な絵の具を
あとから拭き取りやすいので使用しています。
かつて漆蒔をなさっていた職人さん達も
この膠は使っていたそうです。(正確な理由は知りません。)
上絵のあたりを鉛筆で軽く描きます。
(鉛筆線は焼けて無くなります。)



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色をつけたい部分に
テレピンオイルでゆるめた漆を塗ります。





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漆が半乾き状態でぺたぺたしてきたら、
粉状の絵の具をまぶしくっつけます。




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漆に粉絵の具をしっかり入り込ませます。




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白地についてしまった余分な絵の具や漆を
きれいに拭き取ります。



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800°で焼成します。
漆は焼けて無くなり、絵の具だけが残り
きれいに発色しました。



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銀液を塗ります。こんな茶色です。
めちゃ臭いです。




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700°で焼成します。
最初表面は白く酸化膜で覆われているので、
ぴかぴか光ってはいません。



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ジルコンペーパーで磨きます。
(サンドペーパーに似ていますが
もっとソフトです。)
銀がピカピカになりました。
さあ、やっとこれでできあがりで〜す!!




最初から液状の絵の具で、さっさっと描いたと思われる方が多いのですが、
漆蒔上絵は、このような行程を経てできあがります。

なんともいろいろめんどっちいのですが
とにかく美しく発色してくれるのです。
自分でつくっては、毎回自分で感心しているのであります。
(へへへの毎度の自画自賛。。。)


以上、写真で見る漆蒔上絵でした。
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by studio-tokuda | 2011-05-22 22:45 | 漆蒔上絵物語 | Trackback | Comments(4)

漆蒔上絵物語ーまとめの巻き

日本には昔から歌舞伎や浮世絵等、とても鮮やかな色を楽しむ文化があります。
最近は私の廻りに、上絵をする作家さんはほとんどいません。
今後、材料の絵具や道具の調達も少し心配ですが、
少しでも皆さんに上絵に興味を持っていただき、
色の持つ力と魅力を楽しんでいただけたら嬉しいと思っています。
最近漆蒔上絵に興味を持ち、仕事場を訪ねて下さる若い方が何人かいらっしゃり、
ちょっと嬉しいです。私で伝えられることは繋いでいきたいと思っています。

私は特別目新しいことや奇抜なことをしようとは、全く思っていません。
ただ、先人達の残してくれた知恵のかたまりを、
今という時代の空気の中で呼吸させてやりたいのです。
その結果出てきたものが、今という時代に新鮮に感じていただけたら、
そんなに嬉しいことはありません。

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by studio-tokuda | 2010-06-24 01:03 | 漆蒔上絵物語 | Comments(2)

漆蒔上絵物語 その14ー多くの出会いに感謝

長々と書いてきました。
いろんな方の助けをかりて、なんとか今にいたっています。
ただ直感でおもしろいと思い続けてきましたが、
気が付けば10年近く続けているうちに、いろいろな物語をいただきました。
今ではだんだんこの技法がいとおしくなってきています。

*多くの職人さんの数だけ技法があったこと。
*皆さん切磋琢磨して技術を競い合っていたこと。
*それ故その技法を隠していたこと。

そんな経緯があったため、経済効率の良い転写紙の開発により、
主に安い雑器に施す職人仕事であった漆蒔上絵技法が、
仕事そのものの消滅と共にすたれていったことは、仕方が無かったのかもしれません。

そしてきっと、同じ様に日常の少しの生活の楽しみをくれた、
今では静かに消えてしまった職人に支えられたささやかな小さな技法が、
日本中にあったんだと思います。
私が今までやってこられたのは、そんな大勢の職人さん達の、
目には見えない後押しがあった様な気がしてなりません。次回で一旦終了します。

ミニ盆栽鉢と袋です。
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by studio-tokuda | 2010-06-22 23:51 | 漆蒔上絵物語 | Comments(0)

漆蒔上絵物語 その13−解ってきたこと

私が手探りでなんとかやってきた漆蒔上絵の技法が、
*明治から昭和40年代頃までこの地で盛んに行われていた。
*名品ではなく、主に価格の安い日用雑器に施されていた為に、
 今ではほとんど作品が残っていない。
*経済効率に追われ転写紙に取って替わられ、仕事そのものがなくなりすたれてしまった。
*職人の数だけ技法があった。
*職人が技術を切磋琢磨する故、皆さん技法をかくしていた。

多くの方に出会い助けていただきながら、以上の様なことがだんだん解ってきました。
そしてさらに、上絵組合というものが細々とこの町にあり、
あんなに探した漆もこの組合で売っていたこと等を、初めて知ったのでした。

日用雑器であったため昔の作品はほとんど残っておらず、
私は今でも昔の漆蒔上絵の作品を、一度も見たことが無いのです。続く。
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by studio-tokuda | 2010-06-17 20:08 | 漆蒔上絵物語 | Comments(0)

漆蒔上絵物語  その12ー職人さんとの出会い

いろいろとありがたい御縁をいただき、
初めて上絵組合理事長の職人さんにお会いすることができました。
さ〜〜大変!私の理事長さんへの質問攻めが止まりません!!
だってやっといろいろ聞ける人に会えたんです。
そんな私の質問攻めに理事長さんは、
「今度一度仕事場にいらっしゃい」と言って下さいました。待ってました!
少し仕事のスケジュール調整でもたもたしていた私に、
今度は理事長さんから「いつ来るんだい?」と催促のお電話をいただき、嬉しい恐縮。
さっそくMAVOの仲間に撮影助手を頼み引き連れ、ビデオ片手にお邪魔しました。


いただいた道具です。漆をのばすガラス板をはめ込んだもの。右側の釘は
漆をのばすローラーをひっかけるためのもの。ちゃんと意味があります。
この道具はもったいなくてまだ使えません。
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続きはこちら
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by studio-tokuda | 2010-06-17 00:07 | 漆蒔上絵物語 | Comments(0)