人気ブログランキング |

カテゴリ:漆蒔上絵物語( 25 )

漆蒔上絵物語 その13−解ってきたこと

私が手探りでなんとかやってきた漆蒔上絵の技法が、
*明治から昭和40年代頃までこの地で盛んに行われていた。
*名品ではなく、主に価格の安い日用雑器に施されていた為に、
 今ではほとんど作品が残っていない。
*経済効率に追われ転写紙に取って替わられ、仕事そのものがなくなりすたれてしまった。
*職人の数だけ技法があった。
*職人が技術を切磋琢磨する故、皆さん技法をかくしていた。

多くの方に出会い助けていただきながら、以上の様なことがだんだん解ってきました。
そしてさらに、上絵組合というものが細々とこの町にあり、
あんなに探した漆もこの組合で売っていたこと等を、初めて知ったのでした。

日用雑器であったため昔の作品はほとんど残っておらず、
私は今でも昔の漆蒔上絵の作品を、一度も見たことが無いのです。続く。
by studio-tokuda | 2010-06-17 20:08 | 漆蒔上絵物語 | Comments(0)

漆蒔上絵物語  その12ー職人さんとの出会い

いろいろとありがたい御縁をいただき、
初めて上絵組合理事長の職人さんにお会いすることができました。
さ〜〜大変!私の理事長さんへの質問攻めが止まりません!!
だってやっといろいろ聞ける人に会えたんです。
そんな私の質問攻めに理事長さんは、
「今度一度仕事場にいらっしゃい」と言って下さいました。待ってました!
少し仕事のスケジュール調整でもたもたしていた私に、
今度は理事長さんから「いつ来るんだい?」と催促のお電話をいただき、嬉しい恐縮。
さっそくMAVOの仲間に撮影助手を頼み引き連れ、ビデオ片手にお邪魔しました。


いただいた道具です。漆をのばすガラス板をはめ込んだもの。右側の釘は
漆をのばすローラーをひっかけるためのもの。ちゃんと意味があります。
この道具はもったいなくてまだ使えません。
d0156360_23572398.jpg

続きはこちら
by studio-tokuda | 2010-06-17 00:07 | 漆蒔上絵物語 | Comments(0)

漆蒔上絵物語  その11ー不思議な御縁

そんな綱渡りの様な状態ですが、なんとか少しずつ制作を続けていました。
ある日、七年程前から続けている「認知症の方を中心とした焼き物教室」
(この教室のことはエピソード満載ですので、また後日書いていこうと思っています。)
を取材していただいたことが御縁で、朝日新聞さんが私の個展の案内を、
簡単な漆蒔の技法も含めて紹介して下さいました。

その記事を多治見市役所の「上絵の保存と復活の運動」に関わっていらっしゃる方が偶然ご覧になり、
個展会場を訪ねてくださいました。
もちろん私はそんな市役所の運動なんて全く知りません。初耳でした。
私自身、多治見の焼き物の歴史の中で上絵を考えたことはありませんでした。

東濃は長い歴史のある焼き物の町ですが、主な生産は土岐市と瑞浪市でした。
多治見市は卸の町であったので、上絵をすることで収入を得ており、
かつては多くの上絵職人さんがいらしたんだそうです。
不思議な御縁のおかげで、その後初めて上絵組合理事長の職人さんにお会いすることができ、
お話を伺うことができました。
初めて多治見の上絵の歴史をいろいろ知ることができたのです。続く。
by studio-tokuda | 2010-06-13 17:03 | 漆蒔上絵物語 | Comments(0)

漆蒔上絵物語  その10ーまたもや助けていただく

とにかく銀液を新しくしたことしか考えられない私は、銀液の会社に相談することにしました。
その日の夜、会社の電話番号を調べようとHPを見たところ、
そこに御相談コーナーがあるではありませんか!
藁にもすがりたい私は、漆探しの時の様にとうとうと、経過を書かせていただいたのでした。

そして翌朝!銀液の会社の方がわざわざ御親切にお電話を下さったのです。(涙涙)
さっそく会社に伺いました。
御丁寧に応接室で対応していただき、おおよその原因がつかめてきました。
さらにその足で、隣町S 市に一軒だけ残っている焼き物の絵具屋さんに行き御相談。
まずはそこのおじさんに大笑いされました!
そして「これ読んどきゃあ!」と小さな印刷物を渡され一喝。
私は上絵の窯の基礎の基礎を知らなかったのです。

右が金液、左が銀液です。パッケージの富士山が可愛らしいんです。d0156360_2231569.jpg

続きはこちら
by studio-tokuda | 2010-06-02 22:51 | 漆蒔上絵物語 | Comments(4)

漆蒔上絵物語 その9ー腰が抜ける!

今回はたくさん窯に入れました。さあ窯出しです。
窯のふたを開けてみると、「・・・いったい、、これは、ど〜ゆ〜こと??」
全ての漆蒔上絵の色が変色しているのです・・!!
銀彩の作用による色の変化が、絵具全部に及んでいます。

腰がぬけるとはこういうことかと思いました。
ちびまるこちゃんの額斜線、ザザザザ状態です。
へなへなと椅子に座り込み立ち上がれません。

続きはこちら
by studio-tokuda | 2010-06-01 23:01 | 漆蒔上絵物語 | Comments(2)

漆蒔上絵物語  その8ー銀彩の作用

私の作品は、多くのものが漆蒔上絵と銀彩を併用しています。
銀彩を漆蒔の色の際に施すと、銀の作用でその部分の色に深みが出ることに気付いたからです。
美しいじゃないの〜!と、理由の程は解らず制作していました。
少しずつ漆蒔上絵作品の注文もいただくようになり、張り切って制作。
今回はたくさん焼きました。さあ窯出しです。続く。


オレンジの際あたり、解りますでしょうか?
d0156360_22352285.jpg
by studio-tokuda | 2010-05-30 22:44 | 漆蒔上絵物語 | Comments(0)

漆蒔上絵物語 ー 『和絵具』と『洋絵具』ちょっと説明の巻

私が使っている絵具には『和絵具』と『洋絵具』があります。
大きな違いは、『洋絵具』は絵具粉の色と焼成後の色がほぼ同じであるのに対して、
『和絵具』は赤でも青でも、絵具粉の色は全部同じ様な淡い色をしていることです。
このことは以外に大きな問題です。
例えばいろんな色で水玉を描いているとします。
『和絵具』の場合は「私は今赤を使っている、今は青を使っている。」としっかり認識していないと、
どんな色のバランスで水玉を描いているのか、判らなくなってしまいます。
下絵を作って確認しながら制作しないと結構大変です。
『和絵具』は焼成後初めてはっきり色が現れてくるので、
窯出しする時は、「わぁ〜きれい!」とわくわく楽しいのです。

尚絵具の成分については、日本では食品衛生法で厳しく基準が決められています。
制作した作品は、岐阜県セラミックス研究所で検査をしてもらっていますので、ご安心下さい。

廃業されてしまった絵具屋さんで購入した洋絵具です。
d0156360_20301418.jpg


九谷から買っている和絵具です。
d0156360_20303744.jpg
by studio-tokuda | 2010-05-28 20:44 | 漆蒔上絵物語 | Comments(2)

漆蒔上絵物語 その6 ー とにかくまずやってみる

適当に毎度お得意の感!のみで漆をオイルでゆるめて、とにかくまずは試してみました。
アブラ汗、冷や汗も流れますが、漆がたらたらと垂れまくります。
模様を描くはなから、垂れ広がりカタチになりません。
少し乾けばよいんじゃないか!と思い、時間差攻撃に戦法を変更。
チョークを用意して、漆をゆるめ始めた時間を机にメモし、データをとっていきました。続く。

漆とテレピンオイルです。
d0156360_201790.jpg

ガラス板の上で、漆をテレピンでゆるめた状態です。
d0156360_2021595.jpg

漆が垂れることを利用した作品です。
d0156360_2061971.jpg
by studio-tokuda | 2010-05-23 20:14 | 漆蒔上絵物語 | Comments(0)

漆蒔上絵物語  その5 ー 漆は買ったけれど

さてやっと漆が見つかりました。さあ、まずは色見本の制作です。
竹紙(ちくしと読みます、竹でできた和紙。)で綿を包み、このてるてる坊主状のものに漆を付け、
表面にぼかす技法だけは実際に学校で経験済みでしたので、色見本はその技法でつくりました。
私には絵具そのものは作れないので、市販されている絵具の中で納得できる色を探すため、
最初にパレットの様な色見本作りが必要でした。
経験済みであったので、色見本は無事に焼け上がりました。

漆蒔上絵技法でぼかし以外について知っていることは、
「テレピンオイルで漆をゆるめて描いて、絵具をくっつける。」それだけでした。
どれくらいの量のオイルでどのくらいに漆をゆるめるのか?さっぱり判りません。
えいっ、あたって砕けろ!やるしかありません。
とても幸いなことに、私は漆にかぶれない体質でした。
でもここからがアブラ汗、冷や汗、漆までもがたらたらりの、悩みの始まりでした。続く。

色見本のいろいろです。
d0156360_19393860.jpg
by studio-tokuda | 2010-05-23 19:47 | 漆蒔上絵物語 | Comments(0)

漆蒔上絵の特徴の巻

漆蒔上絵の特徴は、とにかく色が美しく発色するということです。
鮮やかな強い色はもちろん、淡い色もとっても鮮やかに発色してくれます。
漆をテレピンオイルでゆるめて塗ると、最初は筆跡がありますが、
しばらくすると水面の様に筆跡が無くなってきます。
画用紙に「水彩絵具をポタンとたらして、そのままそっと乾かした様な感じ・・。」
と言えばわかりやすいでしょうか。
そしてそのままの状態で半分乾かした漆に、粉の絵具をくっつけ焼く訳ですから、
その静かな水面状態のまま、色面になるのです。

ピッタリパッキリとした感じなのですが、少し濃淡もあり、
転写紙の均一なピッタリ感とは違う、かすかなゆらぎがあります。
(転写紙には転写紙のよさがもちろんあります。)
独特な発色の鮮やかさが、哀愁をおびているとでも言うのでしょうか?
皆さん、なんだかとても懐かしさを憶える感じだとおっしゃいます。
漆蒔の上絵にはそんな特徴、魅力があるのです。続く。

d0156360_22561311.jpg
by studio-tokuda | 2010-05-20 23:09 | 漆蒔上絵物語 | Comments(0)