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漆蒔上絵物語  その4 ー やっとみつけた

さぁ〜〜ど〜したらよいんでしょ。めげない私は再び前回のお店を訪問。
再び門外漢のお店の方を前に、とうとうと経過報告をする私。ほんとに親切なお店の方は、
「それならば、うちが漆を買っている漆屋さんに電話をかけてあげるから、
あなたが直接お聞きなさいよ。」と、電話をかけて下さいました。
う、嬉しぃ〜!電話の向こうの漆屋さんに再び説明をすると、
「一軒だけ漆を卸している焼き物作家さんがいらっしゃるから、
それを使ってみれば。」と素敵なお返事。

ああ〜〜やっとまともになってきた。ばんざ〜い!! その漆を購入。
さっそく再び色見本作りにトライ。結果、やっとみごとにきれいに、色見本が完成しました。
漆を探し始めてから、ほぼ1年が経っていました。

そしてちょっとおまけの話。
漆屋さんに電話を取り次いでくださった卸屋さんは、その後、
「うちが扱っている漆で、どんなものができているのか興味がある。」
と言って私の個展に来て下さり、作品を購入して下さいました。感謝。
そしてそれから何年かが経ち、漆もなくなりかけてきました。

そのころ漆作家さんと知り合うことができ、漆用の筆のことも知りたかったので、
その作家さんが購入している漆屋さんを紹介してもらい、訪ねました。
いろいろお話を伺い私のこともお話するうち、
なんと、以前伺った卸屋さんから電話を取り次いでいただいたご本人と判り、
「その電話のことはよく憶えているよ。」とにこやかにおっしゃっていただき、
涙ちょちょぎれそうな私でありました。

そのころから、ど〜も漆蒔の上絵なんてものは、今では誰もやっていない。
ただお一人、近隣のO市でやっていらっしゃる方がいる。という情報が判り始めてきました。
漆屋さんが「一軒だけ焼き物作家さんに漆を卸している。」とおっしゃった方が、
このO市の方であるのかは今でも判りませんが、この方にも感謝です。まだまだ続きます。

塗料卸屋さんを紹介してくれた、木工作家の松本寛司君とのコラボユニット
:(コロン)の作品、バターケースです。
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# by studio-tokuda | 2010-05-12 18:40 | 漆蒔上絵物語 | Comments(0)

漆蒔上絵物語  その3 ー 漆と言ってもいろいろで

とりあえず東急ハンズの漆コーナーに行きました。
何社かの漆が並んでいます。漆に関する知識等皆無の私には、
どれを選んだらよいのやら?さっぱり判りません。
一応学校で使った漆が黒い色だったことを想い出し、
全く根拠無しのほぼ感!頼みで、1社の漆を購入。試作→結果みごとに失敗。
全然本来の絵具の色が出てくれません。
さて、ど〜しましょ・・・。

私は今でもパソコンに詳しい訳でもありませんし、その当時は、
まだネットで情報を検索するということが、身近ではありませんでした。
電話帳で漆屋さんを調べようと思っていたところ、
高校の後輩で木工作家の松本寛司君から、
「昔勤めていた仏像制作&修復の会社で漆を使っていたよ。」との話を聞き、
さっそく購入していたお店を教わり、訪ねました。 

訪ねてみると、なんだか小売りする感じでもなく、
私には場違いな印象の塗料卸屋さんでした。えいっ、あたって砕けろ!
「あの〜〜、焼き物の上絵で漆を使いたいんですけれど・・・。」
全く専門外のお店の方とは判りつつ、説明をとうとうと話す場違いな私。
こんな私に、お店の方はとても親切に対応して下さいました。

前回購入の漆で失敗した要因で判っていることは、
漆の成分の中にすでに「顔料」が入っていたことでした。
その顔料が、絵具に作用して発色を妨げたんだろうと推測。
お店の方には「余計なものが入っていない漆をください。」としか言えない私。
なんとかかんとか、今回も全く根拠無しの感!のみ、でチューブの漆を1本お買い上げ。
試作→結果みごとに失敗。続く。
# by studio-tokuda | 2010-05-10 16:49 | 漆蒔上絵物語 | Comments(6)

漆蒔上絵物語  その2ー漆を探して

漆蒔上絵技法は、漆を使い絵具をくっつけるのですから、
まず漆が必要です。
当時一軒だけ営業なさっており、
今はもう廃業なさってしまった近所の絵具屋さんを、
まず訪ねました。
「漆蒔をしたいので、漆を下さい。」
「は・・・???」
「あの〜〜〜、漆蒔に使う漆が欲しいんですけど。」
「そ〜んなもん、も〜売っとらんわ。」
「えっ、そ、そんな・・・どこへ行けば買えるんでしょうか??」
「さあぁ〜・・・。」
と、ヘンテコな噛み合わない会話で終わってしまいました。
さて、ど〜しましょ・・・。なんで売ってないの???
こんな時にはものつくり人の助っ人店。
とりあえず東急ハンズに出かけました。続く。

九谷の上絵試作です。
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転写紙に油溶き絵具を重ねた試作です。
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# by studio-tokuda | 2010-05-09 22:13 | 漆蒔上絵物語 | Comments(0)

漆蒔上絵物語  その1ー現代の上絵 

絵を描いていたので、絵付けの技法にはとても興味がありました。
学んだ技法はどれもみな「現代の空間に合う、今という時代の上絵。」
の可能性を感じさせてくれました。
伝統は、今に生かしてこその財産です。
おこがましいですが、それを目指し試作を始めました。
もう10年程前のことになります。
九谷。転写紙。転写紙と油溶きの組み合わせ。
いろいろ試作を始めた中で、私の無知さからでもありますが、
いきなり材料探しから壁にぶつかり、
謎だらけだったのが・・・漆蒔でした。続く。

漆蒔上絵物語  その1ー現代の上絵 _d0156360_21213721.jpg
# by studio-tokuda | 2010-05-08 21:32 | 漆蒔上絵物語 | Comments(0)

漆蒔上絵物語  絵付け説明の巻

漆蒔上絵物語を始める前に、簡単にざっくりとですが、絵付けの説明をします。
私の乏しい知識と経験からの説明ですが、おつき合いください。
まず絵付けには、上絵付けと下絵付けがあります。

上絵付けからいきます。
絵の具は普通粉状になっています。和絵具と洋絵具(後日説明します)があります。
素焼き(窯1回目)→釉薬をかける→本焼成(窯2回目)が済み、
すでにうつわとして使用できる状態のものに、何らかの方法で粉状の絵の具をくっつけて、
もう一度窯で焼き付ける(窯3回目)ことを上絵付けといいます。
窯の温度は700度〜800度位、素焼き程度の低温です。合計3回焼いて完成です。
私の場合は、さらに4回目を焼くこともあります。

下絵付けとは。
美し藍色の発色模様のお茶わん等の染め付けは、下絵付けと呼ばれています。
素焼(窯1回目)したものに、呉須(コバルト色の顔料)を水で溶いたもので模様を描き、
下に描いた模様が透けて見えるように、透明な釉薬をかけて本焼成(窯2回目)します。
2回焼いて完成です。

その他の装飾技法
・下絵と上絵のミックスの技法もあります。
・転写紙といって、シート状になったものを好みの形に切り抜き、
 水をつけて貼り付ける技法もあります。
・金彩、銀彩。プラチナ等焼き付けることもできます。

上絵付けで、絵の具をうつわにくっつける方法のいろいろを紹介します。
*「ふのり」と水でよくすり練って、盛りつけようにしてくっつける『九谷の技法。』
* 水と「アラビアゴム」でくっつける『水溶き技法。』
*「コバイバルサム」という油でよく練ってくっつける『油溶き技法。』
*「漆」の粘着力を利用してくっつける『漆蒔技法。』

そうです。「」の中のものは、何かしら粘着性のあるものなんです。
やろうと思えば「木工用のボンド」でもつけられます。
つるりとした焼き物の表面に粉状の絵具をくっつけるための、先人達の工夫の技法です。
焼くと「ふのり」も「アラビアゴム」も「コバイバルサム」も「漆」も、
み〜〜んな焼けてなくなってしまって、絵の具だけが残ってうつわに焼き付く訳です。

同じ絵具を使っても、それぞれ発色の様子も違い、それぞれのおもしろさがあります。
この中の、「漆を使って絵の具をくっつける技法」が『漆蒔上絵技法』なんです。
ちょっと長くなりましたが、お解りいただけたでしょうか?
今日はこのへんまで・・・続く。

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# by studio-tokuda | 2010-05-07 16:47 | 漆蒔上絵物語 | Comments(0)